‥ 新型コロナ感染 第11波が急上昇し減少中 ‥
新型コロナの感染はR6/4/末で第10波が収束した後、5月、6月と上昇傾向
が続き、7月には急上昇して、第11波と云える状態まで増大してきました。
第11波のコロナウイルスも第6波以来続いているオミクロン株の系統ですが
より強い感染力を持った変異ウイルス「KP.3」が主体となっているようです。
R6年7,8月最新感染状況を下図に示します。8月初めで第11波がピークと
なっていますので、しばらくは感染にご注意ください。8月中旬発表で感染
減少に転じましたが、9月第1週段階では減少速度がやや鈍っています。
第11波としては第10波より幾分大きくなりそうです。
図1 第6波〜第11波の感染数推移(週平均、全数把握相当)
2024-7-23作成 7/26図1更新 8/2図1更新 8/10図1と説明文更新 8/17図1更新 9/15図1更新 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染 第10波が終わり、新ステージへ? ‥
新型コロナの感染第10波は順調に減少を続けていましたが、R6/4/29〜5/5の
データで底を打ち、5/6〜5/12の集計からは下図のように上昇に転じています。
5月連休の人出による一時的な感染増か、あるいはコロナウイルス変異による
本格的な感染増加なのかはまだ不明です。
図1 第6波〜第10波の感染数推移(週平均、全数把握相当)
2024-5-31作成 6-12更新 6-19更新 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染 第8波以降第10波までの感染数 ‥
新型コロナの位置づけが「5類」に移行したことで、2023年5月より感染数の
集計は「全数把握」→「定点報告」に、また「日ごと」→「週ごと」に変化し
第9波以降の感染状況が分かりにくい状況になっています。
過去の感染数経緯と最近の感染状況を同じ基準で比較できるように、過去の
データを週ごとの感染数に置き換えるとともに、最近の定点あたりの感染数を
「全数把握」相当に換算した結果を図示すると、図1のようになります。
図1 第6波以降の感染数(週平均)推移と最近の感染データ(全数把握相当)
2024/1/末に第10波のピークとなり、2月末ではその50%程度に減少中です。
図1では「5類」への移行に伴って発表データの差異が生じているため、新旧の
データを同じ基準で比較できるよう以下に示す補正を行っています。
(1)旧データの処理:2023/5以前の日毎の感染データを週ごとの感染データに
まとめ直して、週内の平均感染数(人/日)を算出。
(2)最近のデータの処理:2023/5以降は全数把握データではなく、定点把握の
データで数値が幾分低めになっているので、(3)により
定点把握データを旧データと同じ全数把握データに換算。
(3)定点把握データと全数把握データとの比較:「定点当りの数値」に対する
係数を求めた結果、およそ「5500倍」となることが分った。
【全数把握値への換算式:「全数把握値」≒「定点当りの数値」×5500】
第1図は新旧データに上記(1)(2)(3)の処理をし新旧接続してあります。
第7波〜第10波までのピーク値は次第に低下しており、今後の新たな波でも
次第にピーク値が低下して行き最後には収束することが期待できそうです。
但し、これまでの第7波以来のウイルスはいずれもオミクロン株の変種であり
全くの別株に大変異する可能性もあるので楽観は禁物かも。また、感染者の中
で長期後遺症に苦しむ人も出ているので、出来るだけ感染しない様に、まだ
しばらくは、注意を継続しましょう。
2024-3-5作成 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染 第1〜第8波の死亡率比較 ‥
感染数と死亡数の関係は【感染→発症→重症化→死亡】と必ず時間差が生じる
ため、横軸に感染数、縦軸に死亡数として日々のデータ(第8波)をプロット
すると図1左のように楕円形となり、いわゆるヒステリシス曲線となります。
図1 感染と死亡のX-Yプロット(感染・死亡の時間差修正前と修正後)
一方、感染数を何日か遅らせてプロットすると、直線近似できるようにまとま
ってきます。例えば、第8波感染数データを16日間遅らせた場合、図1右側
のように直線状によくまとまった分布が得られます。そして、この直線の勾配
から第8波の死亡率(致死率)は約0.22%ということが分かります。
この方法で、第1波から第8波の感染数と死亡数のX-Yプロット図を作成して
各「波」での死亡率を比較した結果を図2〜図5に示します。
【備考】感染数および死亡数データは日ごとの変化が非常に大きいため、当日
とその前後各4日、計9日のデータを平均化したものを当日のデータとして
図示しています。
図2 第1波および第2波の感染と死亡のX-Yプロット
新型コロナ日本上陸に対して準備が不十分だったため、たちまち医療が破綻し
図2左側に見るように第1波では数%〜10%という高い致死率となっています。
一方、摸索状態だった第1波の経験を生かし、第2波では致死率が約1%程度
まで改善できています(図2右側)。図中の赤線は致死率(死亡/感染)です。
図3 第3波および第4波の感染と死亡のX-Yプロット
図3左側は第3波の状況です。第1波〜第3波の新型コロナウイルスは同じく
従来株であるにもかかわらず、第3波致死率が1.5%〜4%と第2波よりも高く
なっています。これは感染数が第2波の4倍以上に急拡大し医療破綻が生じた
ことが原因と推察されます。そして第3波と同程度の感染規模の第4波では、
致死率が1.8%程度まで戻っています(図3右)。
図4 第5波および第6波の感染と死亡のX-Yプロット
図4は第5波(デルタ株)と第6波(オミクロン株)の状況です。第4波に対し
第5波は4倍程度もの感染規模になりましたが、致死率自体は0.3%程度と低下
し、オミクロン株に移行して更に急拡大した第6波でも0.1%〜0.3%程度の低い
致死率に留まっています。第5波以降は感染力が強いものの弱毒方向にウイルス
の変異が進んでいることや、コロナに対する医療処置が確立したこと、ワクチン
接種率が急激に上昇していることなどにより重症化の防止→死亡数低減となって
いるものと推察されます。
図5 第7波および第8波の感染と死亡のX-Yプロット
図5は第7波および第8波、いずれもオミクロン株による致死率の状況です。
第7波は過去最大規模の感染となりましたが、その致死率は第6波よりも更に
低下し、約0.12%となっています。しかしながら、第8波については第7波と
同様のオミクロン株にも拘らず、致死率が約0.22%と明らかに高くなっており、
なぜ第8波の致死率がより高くなったかについては今のところ原因不明です。
ウイルスの種類が、第7波の場合はオミクロンの亜種BA5株であるのに対して
第8波ではオミクロンの亜種BQ1株と厳密には異なっているため、その影響に
よる可能性も考えられますが、イギリスなど欧州の報告ではBA5とBQ1とでは
入院率や重症度での差異は少ない由。別な理由がありそうです。
表1 第1波〜第8波の感染・死亡の起点と終点および各波の平均致死率
表1は第1波から第8波の起点と終点、累計感染数、累計死亡数、致死率など
を整理した表です。致死率は各波毎の平均値を示し、「Delay」は各波の感染と
死亡のズレを最適化した際のズレ日数を示しています。表1の致死率の推移を
見ると最悪だった第1波5.5%から順調に低下し、第7波で0.12%と当初の1/50
程度にまで達しています。しかし第8波では図5の説明で述べたように期待に
反して、致死率が2倍弱(0.23%)にアップしています。次に、第8波終了後も
致死率の拡大傾向が継続しているのかどうかを確認するため、第8波終点を過ぎ
た時点から、第9波に向けてゆっくり感染上昇が始まった4月時点までの間を
「第8波後第9波前」と設定。その約2ケ月間の致死率を試算してみました。
その結果を図6左に示します。致死率が0.3%を越えており、第8波終了以降も
引き続き高い致死率が続いていることが分かりました。
図6 第8波終了後の感染・死亡XYプロット図と第5波以降の致死率比較図
図6右は、第5波以降の致死率推移をグラフ化したものです。第8波につづき
その後の致死率もさらに増加していることが今後心配なところです。
第8波以降の致死率増加を説明する一つの仮説があります。それは、第8波の
実際の感染数は、公表されている数値よりももっと大きかったのではないかと
いう説です。例えば、表1において第8波の感染累計数は約10万人ですが、
もし、感染累計が20万人だったとしたら致死率は第7波と同程度になります。
第8波ではいろいろ感染防止の規制が解除され、第7波の致死率が減少している
こともあり、PCR検査を受けずに自然快癒した感染者が増えた可能性があります。
重症者数の動向から見ても説得性がありますが検証は今後の課題かと思います。
今回の分析にはExcelを用いています。データを何日かずらすような操作も非常
に簡便に行うことができ、相関係数などの統計計算結果も自動的に得られるので
おおいに助かります。簡単なデータ例を対象にしてデータをずらす手法や相関性
チェックなどをエクセルファイルにまとめました。ダウンロードは下記のリンク
からです。表1を利用して作図のテストができます。
Excelによるデータ分析例 のダウンロード(エクセルファイル) |
2023-6-14作成, 6-18一部修正 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染第8波〜第9波の予測見直し ‥
前回の予測からまだ1ケ月経っていませんが、感染係数の設定を見直し、予測
の範囲も拡大して今後の予測を見直してみました。予測見直し結果を図1に
示します。今回はケースAとケースBの2種類の予測を行っております。
感染予防の規制が撤廃されることからケースAは昨年よりも10%ほど感染係数
p値が大きくなる設定です。また、ケースBは昨年比20%増の感染係数に設定。
前回の予測はケースBに相当し、昨年比20%増の設定です。
今年1月、2月と減少が続いた感染は3月でほぼ横ばい、4月以降はゆっくり
と上昇するという構図は前予測と同様ですが、5月以降でみるとケースA、B
ともに前回予測を下方修正する形になります。
図1 新型コロナ第8波および第9波の感染予測
シミュレーションに使用している感染しやすさを示す係数p(及び p0)の推移
と今後の予想を図2に示します。今回は3月〜5月の感染係数pの増減形状を
昨年の増減形状に類似させながら、凡そ10%アップ、20%アップの設定として
シミュレーションを行っております。4月、5月のコロナ感染数は
ケースA〜ケースBの範疇に留まるのではないかと推察しています。
図2 感染係数p、p0の推移と予測 ケースA および ケースB(2022年〜2023年)
2023-3-5作成 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染第8波〜第9波暫定予測 ‥
2022年11月頃から始まったコロナ感染第8波は、第7波に匹敵する感染規模に
なりましたが、2023年1月中旬以降は予想より速く減少が進行しつつあります。
最新の感染数データとワクチン接種データを取り込んだシミュレーションにより
感染第8波の今後の推移予測を行いましたので第1図に示します。花見時期から
感染がまた拡大に転じ、5月連休時期には第9波となる予測です。
図1 新型コロナ第8波および第9波の感染予測
感染しやすさを示す係数p(および p0)は、1月に入って急激に低下しましたが
今後は花見、入学、5月連休時期に向けて次第に上昇すると想定しています。
図2に感染係数の推移を示します。政府による感染防止の規制がなくなることで
昨年の同時期よりは感染係数p値が高くなるという設定です。
図2 感染係数p、p0の推移と予測(2022年〜2023年)
ワクチン接種については、前回予測時に設定した接種率よりも低めに推移して
いるため予測を下方修正して免疫効果計算を行いました。結果を図3に示します。
2023年の免疫率のピークが少し低くなり、フラットな感じになっています。
図3 ワクチン接種効果および感染による免疫効果
図4は計算に用いたワクチン接種率の実績と予測です(2回目接種率は一般接種
のみのデジタル庁のデーターであり、3%ほど低めになっています)。
4回目、5回目の接種率は3月以降も継続して伸びてゆく設定にしてありますが
今後、政府のコロナ政策の変化に伴って図4にも影響が出ると予想されます。
図4 新型コロナのワクチン接種率推移と予測(2021年〜2023年)
2023-2-11作成 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染第8波予測(シミュレーターV10) ‥
2021年4月頃から一般接種が開始された新型コロナ対策用のワクチンは、当時の
コロナウイルスに対し非常に高い感染予防効果があり、第5波の収束に効果的で
全国で100人/日以下のレベルまで感染を減らすことができました。
しかし、その後、ウイルス変異が進んだことによりワクチン効果が激減し、接種
回数が増えたにもかかわらず、桁違いに大きな第6波、第7波、第8波となって
います。現在主流のコロナウイルスはオミクロン株系ですが、これに対応した
ワクチンが開発されて、ようやく接種が行われている状況です。最新のデータで
コロナ感染シミュレーターの見直しを行い「シミュレータV10」としました。
図1にそのシミュレーション結果を示します。
図中の「13月〜16月」は2023年1月〜2023年4月を意味しています。
図1 新型コロナ第8波の感染予測
シミュレータV10では、ワクチンが2種類、接種回数は2〜5回まで考慮、更に、
感染数が多くなっていることから、感染による免疫効果も考慮し第8波の予測を
行いました。図2に感染係数の推移を示します。
図2 感染係数p、p0の推移と予測(2022年〜2023年)
2022年1月からオミクロン株に移行してワクチン効果が激減したために、
係数pと係数p0との間隔が狭い状況となっています。オミクロン対応ワクチン
が登場した10月以降はワクチン効果の増大と、感染者による免疫効果によって、
感染係数pとp0の間隔が大きくなり、感染抑止面でよい方向に変化しています。
一方、オミクロン株では感染での死亡率が低いことから、感染予防の行動制限が
かなり撤廃され、年末の人流増もあって感染係数p値の方は増加方向にあって、
現状の感染増加となっています。この感染拡大は1月連休が過ぎて人流が落ち
着いた段階でピークを超え、1月後半で減少に転じると予想されます。
図3は2021年4月の第4波からの感染実績と、2023年4月までの予測図です。
ワクチン接種の推移や、緊急事態宣言・まん延防止措置などの規制発令状況を
示す表と合わせて、2年間の感染や対応状況を整理してあります。
図3 2021/4〜2023/4の新型コロナ感染推移と予測
図3に対応し、ワクチン接種効果および感染による免疫効果について2年間の
推移を図4に示します。2020年〜2021年はデルタ株系のウイルスが感染の主体で
あり、当時のワクチン接種効果は図のように極めて大きくなっています。しかし、
オミクロン株の出現とともにワクチン効果が急降下して、2022/1からの大きな
感染第6波を引き起こしています。感染第5波までの感染数は比較的少ない上に
感染で獲得した免疫効果はオミクロン株系のウイルスには有効性が小さいため、
2022年以降のシミュレーションでは2022/1以降の感染者のみを対象に免疫効果
の算出を行っております。図4の点線がワクチン接種による免疫効果で、実線は
ワクチン接種と感染の両方による総合免疫効果を示しています(2022/1以降)。
図4 ワクチン接種効果および感染による免疫効果の状況
図4のように、オミクロン株に対してはワクチン効果が長続きせず、免疫の山と
谷の繰り返しが生じます。そして谷となった時期に感染第6波、第7波、第8波
が始まっており、2023年の花見の時期には第9波が始まるものと推察されます。
第9波の時期や大きさについては、6回目ワクチン接種のタイミング、別の変異
株が入ってくる可能性、現在感染急増している中国からの影響など、いろいろな
要因があるので、暫く様子をみる必要があります。オミクロンでの死亡率は低下
していますが、感染発生数が高くなると死亡率も高くなる状況は変わっておらず
まだしばらくは感染防止の注意が必要かと思われます。
シミュレーターV10のダウンロードは下記のリンクからです。
新型コロナ感染シミュレーターV10 のダウンロード(エクセルファイル) |
2022-12-26作成 T. Oguro
‥‥ 新型コロナ感染の国際比較 ‥ ‥
感染第7波において国内の新規感染者数が世界一となったとの記事が出ましたが
これを機に過去から現在までの発生状況について国際比較を行ってみました。
図1は2020/1〜2022/8/23現在までの各国の新型コロナ感染累計数を比較した
グラフです(各国の人口に対する比率の形にしたもの)。
図1 各国の新型コロナ感染累計(人口比)の比較
日本の感染累計は他国より幾分小さめながら、世界一の感染発生が続いており、
第7波終了の段階では台湾やアルゼンチンに並ぶレベルになると予想されます。
図2は2020/1〜2022/8/23現在までの新規感染数の推移を、米国と日本で比較
したものです。日米の第1波〜第7波のタイミングはほぼ一致しているものの
波の高さは大きく異なっています(特に第1波〜第5波)。
図2 新型コロナ新規感染数(k人/日)の日米比較
日本では新型コロナに対する事前対応策が不十分だったため、第1波段階で早速
医療混乱を生じました。以来、緊急事態宣言など厳しい対応で感染を極力少なく
する政策がとられてきました。しかし、2022/1オミクロン株登場で感染急拡大し
第6波を形成する一方、重傷者があまり増えないことで、2022/4以降は規制撤廃
方向にコロナ対策の方針転換が行われました。また2022/7からは強力なBA5株へ
の移行や夏休みの人流増加もあって、過去最大の第7波に至っている状況です。
一方、米国の場合、マスクや行動制限など日本ほどコロナ対策が徹底しない
ことから、第1波から日本とは比較にならないほど大きな波になっています。
特にオミクロン株に移行した6波は圧倒的な大きさとなり、その後の第7波が
低く抑えられている事も注目を要する点です。巨大な感染第6波による免疫効果
により、その後の感染第7波が抑制されたと見ることができます。
(6波と7波はBA2,BA5などいずれもオミクロン株の亜種による感染)
今後日本においても7波の感染免疫で8波が低めに抑制される可能性があります。
図3は各国の第1波・感染立ち上がりの様子を、対数グラフで比較した図です。
(2020/1/20〜2020/3/20の各国感染累計 データ:WHO)
図3 新型コロナ第1波立ち上がり時期の感染数累計(人)各国比較
欧米諸国は中国と類似した急こう配のグラフですが、日本や台湾は比較的
ゆっくりした立ち上がりになっています。 PCR検査体制もお粗末だった日本は
新規感染者の接触者などを調査し、感染発生の疑いの高い個所に検査を集中する
手法で感染拡大にブレーキを掛けましたが、その後の医療破綻の段階で緊急事態
として政府は強い規制を開始しました。
台湾はSars感染の教訓を生かして早い段階から対策を準備していた国で、感染を
低レベルに抑えこみましたが、今年4月以降は規制を大幅に緩め、日本の人口に
換算して40万人/日以上もの感染ピークを経て、一挙に図1の感染累計に達して
います。この感染による免疫効果により、台湾は日本以上に次の感染ピークが
抑制されるのではないかと推察されます。
2022-8-27作成 T. Oguro
‥ 新型コロナ感染第7波暫定予測 ‥
シミュレーターV9で対象とした新型コロナ感染第6波では、予測より感染減少
が長く続きましたが、7月に入り予想をはるかに上回る急拡大となって感染第7波
となりました。ずれの原因は第6波のオミクロンBA.2株の感染力を過大評価して
計算したこと、より感染力の強いオミクロンBA.5株への急移行があったこと、
3回目ワクチン接種の見通しを誤ったことなど、にあります。その後、第7波を
対象にした感染シミュレーションを検討中ですが、現段階での感染予測結果を
アップ致します。後日、見直しを行いパラメータもプラスしたうえで正式な感染
シミュレーターV10とする予定です。
第1図は、R4年7月から急拡大している第7波の10月までの暫定予測です。
図1 新型コロナ第7波の感染予測
第2図は、3回目と4回目ワクチンの接種率の推移です。シミュレーターV9では
3回目接種を5月末66%の線に沿って進むことを想定しましたが、実際は赤線の
ようになり大きくズレが生じています。
図2 ワクチン接種3回目および4回目の接種進行状況
第2図のように、3回目、4回目ともにワクチン接種率の進展はゆっくりであり、
今後改善できる余地があります。工夫して第7波の収束を早めたいものです。
2022-7-19作成 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV9‥
R4年1月に急拡大した新型コロナ感染第6波はオミクロン株によるものですが、
ピークを越えた後、感染力が強い変異株[BA.2]への移行が始まって感染高止まり
の状態になってしまいました。3回目ワクチン接種の進み具合や観光地への人出
の状況などを配慮し7月末までの感染予測(シミュレーターV9)を行いました。
図1がそのまとめ図で、太い黒色点線は現状での予測線です。
図1 新型コロナ感染第6波〜R4年7月末までのシミュレーション結果
3回目のワクチン接種の進み具合をパラメータとしており、@は接種が迅速に進行
するケース、Aは標準的な接種スピード、Bはやや遅い進行、Cは遅い進行の場合
の感染予測を示しています。黒色の実線と点線は実績と予測値を表しています。
@〜Cにおける月々のワクチン接種率との関係は、図2に示してあります。
図2 シミュレーターV9で想定した3回目ワクチン接種率推移(@〜C)
3回目ワクチン接種実績を赤色実線で示します。3月前半まではAに近いルートを
辿りましたが次第に接種速度が低下しBの線に急接近しました。5月以降での接種
接種スピードによっては、Bを通り越してCに近づく可能性もあります。
「V8の予測と実績の比較」に記した3回目ワクチン接種の大きな効果を認識し
積極的に3回目接種を受けて欲しいところです(特に若い人たち)。
図2@〜Cのように3回目ワクチン接種が進行した場合、ワクチンの効果を表す
感染修正係数Fは図3のようになります。修正係数F値は、ワクチンそのももの
感染予防効果とワクチン接種率とで決まり、接種率ゼロの段階ではF=100%で
ワクチンによる感染予防効果が無い状態ですが、接種率が上がるとF値が低下し、
他の人への感染伝播もF値に比例して低下する形になります。つまり、Fの値が
大きいほどワクチン効果が少なく、F値が小さくなるほどワクチンによる感染予防
効果が大きくなるという状況を示しています。
図3 デルタ株からオミクロン株への置き換わりに伴う感染修正係数Fの推移
図3においてR3/12前半ではデルタ株が主体で、F≒40%となっています(A点)。
ワクチン効果が比較的大きくて、新規感染発生が低く抑えられている状況ですが、
約1ケ月間でデルタ株→オミクロン株の置き換わりが進行し、オミクロンに置き
換わったB点のF値は80%を超え、感染予防の力が大幅に失われた状況です。
2月以降は3回目ワクチン接種が行われており、図3の@〜Cは、図2の@〜Cに
各々対応した接種率としてあります。また、ワクチン接種率の実績値と予測値を
赤い実線と点線で示しています。図1の予測結果@〜Cは、図3のF値を夫々
用いて計算しています。
図4 2回目ワクチンでの感染修正係数Fの推移(デルタおよびオミクロン比較)
上図(図4)は、昨年4月から今年7月までのワクチン効果を示すもので、2回目
ワクチン接種の進行とともに係数F値がどのように推移するかを表しています。
(デルタ株、オミクロン株が単独に存在する状態でのF値を比較した参考図)
一方、図3はデルタ→オミクロン移行に関連しデルタ株のA点からオミクロン株の
B点へF値が連続的に移行する様子と、B点からの3回目接種によるF値推移を
示しています(図3と図4のA点、B点は同じものです)。
図5 感染係数p、p0の推移と予測
図5は、感染係数 p および p0 の昨年11月〜今年7月までの推移と予想です。
昨年12月以前の領域ではデルタ株へのワクチン効果が大きいため、係数p0値は
係数pに対して比較的小さく抑えられています。1月以降オミクロン株に移行した
段階では係数pとp0との間隔が減り、2回目ワクチンの効果が非常に小さいこと
を示しています。3月後半でオミクロンはさらに[BA.2]に移行し、それ以降、感染
低下傾向にブレーキがかかった状態が続いています。5月以降の予測では、連休の
人出で係数pが一時的に上昇し、その後は8月の連休に向けてゆっくりと「3密」
が緩んで行くと推察して係数pを右上がりの設定としてあります。
シミュレーターV9のダウンロードは下記のリンクからです。
ワクチン接種は5月以降「図2のB」の設定にしてあります。
新型コロナ感染シミュレーターV9 のダウンロード(エクセルファイル) |
2022-5-3作成 T. Oguro
‥感染シミュレーターV8の予測と実績の比較‥
新型コロナ感染第5波のシミュレーションV8では、2回目のワクチン接種率が
80%程度であればR4年3月頃まで少ない感染状態が続くという予測結果でした。
しかしながら実際にはR4年1月から感染が急拡大し、第5波の約4倍もの大きな
ピークを持つ第6波となってしまいました。この様子は第1図のとおりです。
予測と実績で大きく食い違った理由としては、次のような4点が考えられます。
1. ウイルス自体の感染力が変化:デルタ株 → オミクロンで感染力アップ
2. ウイルスとワクチンの関連:デルタ株 → オミクロンでワクチン効果減少
3. ワクチン効果の経時変化:デルタ株では 小 → オミクロン株では 大
4. シミュレーションでのワクチン効果の扱い:「V8」までは経時変化を無視
オミクロン株はR3/12後半に国内に出現し、たちまちR4/1中旬にはデルタ株に
置き換わってしまいました。オミクロンの場合、感染者から排出されるウイルス
の量が多いために感染力が強く、デルタ株と違ってワクチン接種済みであっても
発症予防効果が低いうえに、接種後の経過日数とともに効果の減衰が激しいなど
で、ウイルスの防御が不十分となって、1月の凄まじい感染拡大となりました。
図2は2回目ワクチン接種後の発症予防効果を示す図です。デルタ株への感染
予防効果が比較的大きいのに対し、オミクロン株に対してその効果が小さく、
しかも経時変化(低下)も大きくなっています。
(図2、図3は英国健康安全保障庁の報告(2022/2/3)を参考にして作成)
仮に2回目ワクチン接種をR3/8に行ったとすると、R4/1時点では接種後5ケ月
となり、オミクロンの予防効果はわずか10%しかないことになります(図2)。
このように、オミクロンに対してはワクチン効果の経時劣化が非常に大きいため
3回目の追加接種を早めに受けてワクチン効果を回復する必要があります。
図3は、3回目ワクチン接種を行った場合の発症予防効果を示していますが、
2回目接種よりも予防効果が大きく改善し、経時変化も少なくなって有効性が
より増しています。3回目のワクチン接種、オミクロン株への効果の経時変化
などを考慮しての感染予測を、別途、「V9」としてアップする予定です。
2022-4-20作成 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV8‥
新型コロナ感染第5波の10月における感染数低減が予想以上に進展したため、シミュ
レーターの感染係数設定を見直し修正し、シミュレーターV8としてアップします。
9月末にて緊急事態解除となり、感染係数pはかなり速い速度で増加すると仮定して
V7の係数設定を行いましたが、実際には東京や大阪など大都市での飲食店に対する
営業制限が継続して行われており、p値は上昇傾向にはあるものの、比較的緩やかな
増加となっています。図1は見直し後の感染係数p値、およびp0値の状況です。
図1 感染係数 p および トータルの感染係数p0 の推移
図1の赤点線はシミュレーターV7で仮定したp値で、急な立ち上がりとしていました。
一方、赤い実線が今回の設定線ですが、最大約1ケ月、立ち上がりを遅くした形です。
青点線と実線は、今回設定した赤い実線のp値に対応したp0値で、11月末のワクチン
接種率70%, 80%, 90%のケースに各々対応しています。
図1の感染係数を元にした感染シミュレーション図が図2となります。10/20時点の
感染数が391人/日と少なくなり、感染係数pの立ち上がりがゆっくりとなったこと
から、年末での感染数も前回の見通しから大きく低下しています。
図2 2021年における国内コロナ感染数の推移と11月以降の感染数予測(人/日)
ワクチン接種率が70%と比較的低い場合は、感染が12月に入ると増加して年末で
1000人/日程度となり、接種率が75%以上なら年末の感染は500人/日以下に留まる
というシミュレーション結果です。また、2021年7月から2022年4月の見通しを
図3、図4に示します。図4はの縦軸を10倍に拡大した図です。接種率85%以上
では感染が2月頃まで横ばいに抑制され、90%では4月頃まで横ばいに抑制できる
見通しです。
図3 来年度前半までのコロナ感染シミュレーション結果
図4 来年度前半までのコロナ感染シミュレーション結果(縦軸拡大)
また、シミュレータV8に使用したワクチンの接種予想を下図(図5)に示します。
図5 ワクチン接種完了者実績と年内の接種予想
接種実績(実線)を見ると、接種率80%に近いルートを辿っている状況にあるものの
勢いが鈍りつつあり、80%に届かない心配もあります。時間的に遅れても85%、90%を
目標にして接種を一段と進めて欲しいところです。
9月〜10月の感染発生数は急激な減少を示しており、自粛やワクチン効果以外の要因、
例えば、コロナウイルスの感染力が弱まったのではないかとの疑問も一部で持たれて
いるようですが、図1のようにワクチンの効果有り無しを分離した図で見る限りでは、
自粛や行動制限・営業制限などの感染防止対策、及びワクチン効果で説明できるため、
コロナウイルスの変質は否定的です。具体的には、図1で、ワクチン効果も含めた
総合の感染係数p0値が、8月下旬に p0 < 1 となり、そのまま 0.5前後の低い値
で横ばいを続けており、過去のp0値実績から見ると異常に感じられますが、ワクチン
効果を排除した感染係数 p値で見ると、p < 1 の期間は過去の実績と同程度であり、
最低値も過去の実績データーと比較し特別に低くなっているということもありません。
したがって、人々の行動自粛などから従来並みに感染が低下し、更にワクチン接種の
効果が重畳し、低い感染状況を保っているという説明ができます。但し、今後の景気
対策で、感染係数p値の上昇がかなりスピードアップしそうなので注目しています。
シミュレーターV8のダウンロードは下記のリンクからです。
ワクチン接種は80% の設定にしてあります。
新型コロナ感染シミュレーターV8 のダウンロード(エクセルファイル) |
2021-10-22作成 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV7‥
コロナ感染第5波のデーターでシミュレーターの感染係数設定を見直し、2022年度の
見通しも追加した形でシミュレーターV7としてアップします。デルタ株に移行した
ため8〜9月の感染はこれまでになく大きな第5波となり、感染しても入院できない
という大変な事態となりました。緊急事態宣言にも拘らず、しばらくは自粛不十分で
感染係数を下げる状況になりませんでしたが、さすがに、この医療の異常事態発生に
至って人々の行動に大きく自制がかかり、ワクチン接種数の増加とも相まって
早いペースでの感染低減に転じ、9月末にて緊急事態解除の状況になりました。
10月以降、経済活動活性化の方向に動き出しているので、今回のシミュレーションは
感染係数pの最大値をV6より大きくし、年末でp=4.5という設定に変更しました。
図1は、2021/9/25時点の感染シミュレーション図です。年末のワクチン接種率が
70% 〜 85% のケースについては点線で、90% のケースを実線で示しています。
図1 2021年における国内コロナ感染数の推移と10月以降の感染数予測(人/日)
年末でのワクチン接種率が70%、75% などと比較的低い場合は年末に向けて感染が
増大するのに対して、85%以上では感染が横ばいに抑制され、80%では年内は比較的
緩やかな感染増加状態に留めることができる見通しです。
また、上記の感染シミュレーションにおける感染係数 p, トータルの感染係数 p0
の推移を図2に示します(ワクチン接種率70%, 80%, 90% のケースを比較)。
図2 感染係数 p および トータルの感染係数p0 の推移
年末のワクチン接種率70%, 80% のケースでは、10月以降 p0 > 1 となって感染が
増大するのに対し、接種率90%のケースでは p0 ≦ 1 となり、図1のように感染減少
が続きます。
今回のシミュレーターV7では、2022年も予測できるように範囲を延長しました。
2021/7〜2022/4の感染シミュレーションを図3に示します。
図3 来年度前半までのコロナ感染シミュレーション結果
年末のワクチン接種率が90%の場合、来年3月頃迄感染横ばいで推移するのに対して、
接種率85%の場合は来年1月中旬過ぎまで横ばいで2月以降に増大する予測結果です。
感染5,000人/日で緊急事態宣言発令になると仮定すると、
接種率70%のケース・・・11月末、
接種率75%のケース・・・12月中旬、
接種率80%のケース・・・1月上旬、
接種率85%のケース・・・2月中旬頃、
接種率90%のケース・・・4月以降
の発令となり、ワクチンの接種率をできるだけ高めておくことにより、第6波までの
時間を稼ぐことができ、病床対策、国産ワクチンや飲み薬の実用化などが間に合う
可能性が高まります。なお、来年度シミュレーションにおいては、今年12月より
更に経済活動が活発化すると想定して、感染係数 p値を次のように大きくなる設定
としています。
12月末のp=4.5(図2参照) →→→→→ 来年2月中旬以降 p= 6
今後の感染係数p値の推移をみて、必要な修正を行う予定です。
【P=6の理由】2020年3月における感染拡大時の感染係数がp=4であり、現在は
デルタ株に移行していることを考慮して1.5倍とし、p=4×1.5=6 に設定したもの。
第1回の緊急事態発令前2020年3月下旬の人の動きを想定しており、マスクをして
活発に人が出ている状況。感染係数p値の推移をみて、必要な修正を行う予定です。
感染拡大し緊急事態宣言により自粛生活に戻るという過去1年半の繰り返しではなく、
現在のような感染が減少した状態から再び感染増加に転じた早い段階で、自ら自粛を
行う生活様式を身に着ければ、増加→減少→増加→減少を繰り返しながら、比較的低い
感染状態を維持することができます。この方法の方が経済活動を比較的高いレベルで
保てるように思いますが、これには高いワクチン接種率と、国民が信頼する旗振り役の
存在および納得性の高い状況説明が必要になりそうです。
また、シミュレータV7に使用したワクチンの接種予想を下図(図4)に示します。
図4 ワクチン接種完了者実績と年内の接種予想
接種実績から見ると接種率80%に近いルートを辿っているように思われますが、
今後の接種速度を一層高めて、接種率85%を超えることが期待されます。
この他のワクチン接種の課題としては、接種完了後のワクチン効果の低下を補う
ため、3回目の接種を行うことや、12才未満の学童への接種などがあります。
シミュレーターV7のダウンロードは下記のリンクからです。
ワクチン接種は80% の設定にしてありますので、例えば85%など他の設定にしたい
場合には、「係数 p, p0, F リスト」シートでF85の列をコピーし「シミュレー
ター」シートのF80の列に貼り付けを行ってください。
新型コロナ感染シミュレーターV7 のダウンロード(エクセルファイル) |
2021-10-2作成 T. Oguro
、
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV6‥
ワクチン接種の効果を分かりやすくしたシミュレーターをV6としてアップします。
5月の第4波においては、コロナ慣れや自粛疲れにより、緊急事態宣言にも拘らず
人流を十分下げることができませんでした。このため、早いタイミングで感染拡大に
転じ、しかも感染力が非常に強いコロナ変異株への急速な移行もあり、第4波の数倍
の感染規模の第5波となっています。国内ではワクチン接種が本格化していますが、
コロナ感染の収束にはワクチン接種の強力な推進が極めて重要となります。要因を
分離して解析を容易にするため、シミュレーターV6では、コロナ自体の感染係数
を p 、ワクチン接種による感染係数の補正率 F 、ワクチン接種後のトータルの
感染係数を p0 として、次式のように定義しています。
p0 = p × F
p と F を独立に与えることができるので、シミュレーションが容易になります。
図1は、2021/9/8時点の感染シミュレーション図です。実線は年末のワクチン接種率
が90%と高い場合であり、1日の感染数は400人台に低下して収束に近づく予想です。
一方、点線のようにワクチン接種率が70%、75% などと低い場合は。年末に向けて感染
が増大し、再び毎日1万人や2万人前後の感染拡大となる予想です。
シミュレーション時のコロナ感染係数 p 、 トータルの感染係数 p0 の推移を
図2、図3に示します。図2は接種率90%のケースで、図3は75%のケースです。
第5波ではコロナ感染係数 p のピーク値は3.3程度で、これまでになく大きくなって
おり、デルタ株の影響が明確に現れています。ワクチン接種がない場合のコロナ自体の
感染係数 p は、緊急事態宣言で一旦0.9程度まで低下した後、次第に増加して、年末
には7月のピーク値のレベルに達するという設定でシミュレーションを行ってみました。
ワクチン接種率90%のケースでは、ワクチン効果が大きく効き、図2のように9月以降
p0 < 1.0 となります。
一方、図3のワクチン接種率75%のケースでは、ワクチンによる感染低減効果が不足し
て年末に向けて上昇する p 値を吸収できなり、10月以降 p0 > 1.0 となって感染は
拡大します。
図4は、今年7月〜12月のシミュレーション図で、図1の横軸を拡大したものです。
ワクチン接種率を5%毎に変えて70〜90%のシミュレーション結果を示しています。
年末での感染増大を防ぐには、ワクチン接種率が85%を上回るように若い人たちにも
しっかり説明して、接種率を進めて行く必要があります。
年末時点での感染数をワクチン接種率との関係で整理すると、図5となります。
接種率が90%まで上がれば感染数が3桁にまで下がりますが、現在のままの年齢規制
(12歳以上へのワクチン接種)では実現困難です。既に米国では11才以下の児童への
ワクチン接種の検討が進んでいるので、日本でも並行して評価を進め、児童の感染防止
を実現することを期待しています。
図6はワクチン接種率90%のシミュレーションに使用したワクチン接種数の推移です。
今回のシミュレーションは年末の感染係数を p=3.3 としましたが、この値は
今年7月頃の生活状況を示しており、人流が増えているとは言え、まだ自粛生活
が続いている状態です。ワクチン接種後の抗体の低下や新規コロナ変異株なども
あって、通常生活に戻るにはまだ対策不十分です。3回目のワクチン接種や新規
治療薬投入などと共に、しばらくはマスクなどのコロナ対策を続けることが
必要のようですし,大規模のイベントの場合はワクチン完了者でもPCR検査で
陰性を確認して参加するような対策がとられると安心できそうです。
シミュレーターV6のダウンロードは下記のリンクからです。
新型コロナ感染シミュレーターV6 のダウンロード(エクセルファイル) |
2021-9-8作成 / 2021-9/13補正 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV5‥
シミュレーターV4の感染係数設定を見直し修正し、シミュレーターV5としてアップします。
緊急事態宣言で順調に低下した感染が途中から下げ止まってしまい、花見シーズンが近づくに
および感染増加に転じている状況です。このまま推移すると、下図のように新型コロナの
ワクチン接種が進展する前に、第3波を大きく超える第4波を迎えてしまうシミュレーション
結果となります。ワクチン接種を進めるためにも第4波のピークを抑える必要があり、比較的
早いタイミングで非常事態宣言のような厳しい対策の必要がありそうです。シミュレーターV5
では、その対応策や、ワクチン接種の見直しをまとめました。
下図は、現状のままで放置した場合の2021年の感染シミュレーション図です。
下図は第4波を抑えるために第3回目の非常事態宣言を行った場合のシミュレーションです。
期間は4月中旬から5月末までの1ケ月半の想定です。前回の2ケ月間の非常事態宣言では
感染係数p0値が一時的ながら0.4〜0.5まで低下していますが、今回はp0≒0.6程度に設定して
シミュレーションを行っています。この結果、下図のBのように第4波が小さくなり、
7月以降に効果が大きくなるワクチン接種効果につなぐことができる見通しとなります。
このため、Cのように、東京オリンピックを開催しても大事には至らない感染レベルに
留めることができそうです。
緊急事態宣言のような強い対策を1.5ケ月間 行った場合のシミュレーション図
ワクチン接種を迅速に進めることが感染抑止に極めて重要ですが、ワクチン入手困難が続いており
3月までで接種完了はまだ10万人程度です。今回のシミュレーションでは下図のようなワクチン接種
計画を想定しています。これよりも前倒しのワクチン接種が実現することを期待しています。
ワクチン接種完了の人数が増えるにつれて感染しにくくなり、感染係数p0値が低下する形となります。
上図の修正係数Fは、8月過ぎからようやく60%以下に低下するので、オリンピックによる感染増加を
抑止する状況になります(ワクチン効果を考慮した感染係数 p0’ = 元の感染係数 p0 × 修正率F)。
シミュレーターV5のダウンロードは下記のリンクからです。
新型コロナ感染シミュレーターV5 のダウンロード(エクセルファイル) |
2021-3-31 T. Oguro
‥コロナ感染シミュレーターの感染係数と実効再生産数‥
シミュレーターV1〜V4に使用している「感染係数 p0」 は12日間での感染数変化率を示していますが、
同様の指標である「実効再生産数 R」は5日間での感染数変化率を示しています。一方, 実際の感染数は
生活や検査などで週変化傾向があり、1週間毎の感染数変化率「週倍率 Q」で動向を見る方法が便利です。
下図にシミュレーターV1〜V4の感染係数p0と、実効再生産数R および 週倍率 Q との関係を示します。
感染係数p0=0.6は実効再生産数R=0.81, 週倍率 Q=0.74(74%)に相当。
実効再生産数R=0.7, 1.1は, 感染係数p0=0.42, p0=1.26相当。
週倍率Q=0.7, 1.1は, 感染係数p0=0.54, p0=1.18相当。
2021-2-26 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV4‥
シミュレーターV3の感染係数設定を見直し修正し、シミュレーターV4としてアップします。
令和3年の新型コロナワクチン接種と東京オリンピック開催も含めたシミュレーションを行い
年内の展望をシミュレーターV4のシート(シミュレーターの使用例)にまとめました。
下図は国内の2020-2021年の感染シミュレーション図です。
R3年1月8日からの緊急事態宣言で、1月中旬からようやく感染に本格的なブレーキがかかり、
昨年4月の1回目・緊急事態宣言時と同等の効果(感染係数 p0 ≒ 0.4)が得られつつあります。
ここで精一杯感染数を低減し、緊急事態終了後もできるだけゆっくり制限を解除し、ワクチンの
接種を極力前倒しすることにより、7月からのオリンピック開催も可能になる見通しです。
(図中、A:非常にゆっくり解除、B:ゆっくり解除、C:ややゆっくり解除)
追記:第3波では感染急増により医療対応が厳しくなっており死亡者数が第2波よりも
増加しています。このためシミュレーターV4ではこれを補正する修整を行っています。
シミュレーターV4のダウンロードは下記のリンクからです。
新型コロナ感染シミュレーターV4 のダウンロード(エクセルファイル) |
2021-2-13 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV3‥
シミュレーターV2の感染係数設定を見直し修正し、シミュレーターV3として
アップします。令和3年春以降には新型コロナワクチン接種も動き出すので、
そのワクチン接種効果も取り込んだシミュレーションにしてあります。
2021年の感染シミュレーション例について、いろいろなケースを想定して
シミュレーターV3のシート(シミュレーターの使用例)にまとめました。
下図は国内の2020-2021年の感染シミュレーション図です。
R2年11月、医療破綻不安が叫ばれて感染拡大に一時ブレーキがかかりましたが、
12月中旬からまた拡大に転じ、シミュレーターV2の見通しを大きく上回ってしまいました。
R3年1月、遂に緊急事態宣言が発出されて感染が減少傾向に移行していますが、感染数の
低減は期待通りではありません。今回のシミュレーションは、感染を年内に収束するための
対応策を模索してみました。先ずはより強い感染防止策へギアチエンジすることが重要です。
シミュレーターV3のダウンロードは下記のリンクからです。
新型コロナ感染シミュレーターV3 のダウンロード(エクセルファイル) |
2021-1-24 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV2‥
シミュレーターV1の感染係数設定を見直し修正し、シミュレーターV2
としてアップロードします。見やすくするため、途中計算のみに必要な
excel列は折りたたんであります。2021年の感染シミュレーション例を
シミュレーターV2のシートにまとめました。感染モデルについては
V1と変更ありませんので、説明を削除してあります。
下図は国内の2020-2021年の感染シミュレーション図です。
11月下旬から医療関係者の医療破綻不安が叫ばれて感染拡大にブレーキがかかり、
5,000人/日を超える感染となるコースからは下方に外れています。しかしながら
感染が減少傾向には至っていないので、Goto停止期限が過ぎると再び感染が勢いを
取り戻し3月過ぎには5,000人/日の感染となる予測です。‥‥これを減らすには
年末・年始期間および1月中の感染対策が重要です。
シミュレーターV2のダウンロードは下記のリンクからです。
新型コロナ感染シミュレーターV2 のダウンロード(エクセルファイル) |
2020-12-24 T. Oguro
‥新型コロナウイルスの感染シミュレーターV1‥
世界中で感染を拡大している新型コロナをモデル化し、
2年間の感染をシミュレートできるようにしてみました。
下図は国内の感染シミュレーション状況です。
感染係数 p0 が1以上で感染は拡大し、1以下では減衰します。10月以降は感染拡大が
続いており、11月末から感染係数が少し低下する予想をしていますが、それでも12月末
には5,000人/日を超える感染となる予測です。シミュレーターは、エクセルで作成して
あります。‥‥シミュレーターの使い方と使用例、感染モデルの説明については、
ダウンロードしたエクセルファイルのシートをご覧ください。
新型コロナ感染シミュレーターV1 のダウンロード(エクセルファイル) |
2020-11-24 T. Oguro
‥‥‥‥37年前のパソコン、動きました‥‥‥‥
37年前に買った古いパソコンを、屋根裏の保管場所から引き出してみました。
外観チェックでは問題なかったので、おそるおそるスイッチを入れたところ、
パソコンやモニターなど何事もなく起動でき、保存していたプログラムを
カセットテープレコーダーから読み込ませると、正常に動きました!
パソコン:日立ベーシックマスターレベル3 マーク2 MB-6891
ブラウン管型カラーモニター:日立 C14-2101
カセットテープレコーダー:日立 TRQ-354
パソコンシステム一式 画面はブラウン運動のプロット
装置の故障修理のシミュレーション ドット単位で色を変えた文字列
2020-10-15 T. Oguro
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